ビルドアップ効果を小学生に説明するには? 例

放射線治療では、がんを治すために体の外から放射線を当てます。でも、放射線は当てた場所の表面で一番強いわけではありません。実は、放射線は皮ふに当たった瞬間より、少し体の中に入ってから強くなる特徴があります。これを「ビルドアップ効果」といいます。ビルドアップとは「積み重ねる」という意味で、放射線が皮ふを通り抜けて体の中に入ることで、だんだんとエネルギーが増えていき、一定の深さで一番強くなるのです。
どうしてそうなるかというと、放射線が体に当たると、まず電子という小さな粒が作られます。この電子が体の中を進むことで、周りの細胞を傷つけます。しかし、最初に作られた電子は皮ふのすぐ下まで届かないため、もう少し奥まで進んでから細胞をたくさん傷つけるのです。このため、放射線は皮ふ表面より少し奥で一番強い効果を出します。
このビルドアップ効果のおかげで、がんを狙って治療しやすくなります。皮ふはなるべく傷つけず、体の中のがんをしっかり治療できるように、放射線の特徴をうまく使っているのです。これは、まるで水鉄砲が水の表面では弱くても、少し奥で大きな水しぶきをあげるようなイメージですね。放射線治療では、この仕組みを利用して、体への負担を減らしながらがんを治す工夫がされているのです。


