看護師と放射線技師、給料が高いのはどっち? 夜勤・当直・年齢別でリアル比較

看護師の給料と放射線技師の給料、結局どちらが高いのか?
夜勤・当直・年齢別で“現場のリアル”を比較する
「看護師と放射線技師、どちらが給料高いですか?」
学生から本当に多く聞かれる質問である。
結論から言う。
平均年収だけ見ると、現在は“診療放射線技師”の方がやや高い。
しかし、実際の現場はそんな単純ではない。
なぜなら医療職の給与は、
- 夜勤
- 当直
- オンコール
- 残業
- 勤務先
- 大学病院か民間か
- 地方か都市部か
- 管理職かどうか
で大きく変わるからである。
そして重要なのは、
「基本給」ではなく“総年収”で考えること。
理論と臨床は違うのである。
平均年収は放射線技師がやや上
厚生労働省系データでは、診療放射線技師の平均年収は約550〜557万円。
一方、看護師は約520〜555万円前後とされている。
つまり全国平均では、
- 放射線技師:約550万円台
- 看護師:約520〜550万円
というイメージである。
特に放射線技師は、
- MRI
- CT
- IVR
- 放射線治療
- 核医学
など高度化が進み、専門性による給与上昇が起きている。
AI時代でも価値が上がる職種なのである。
しかし若手では“看護師優位”の病院も多い
ここが重要。
20代〜30代前半では、実は看護師の方が稼ぐケースもかなり多い。
理由はシンプル。
夜勤手当である。
看護師は病棟勤務の場合、
- 月4〜6回夜勤
- 1回1万〜1.8万円
- 深夜加算
- 危険手当
- ICU/NICU加算
などが乗る。
月5〜8万円くらい夜勤だけで増えることも珍しくない。
一方、放射線技師は施設によって差が激しい。
- 外来中心病院 → 夜勤なし
- 小規模病院 → 当直少ない
- 健診センター → 日勤のみ
だと年収は伸びにくい。
逆に、
- 救急病院
- IVRセンター
- 脳卒中センター
- 放射線治療センター
ではオンコールや当直が増え、一気に年収が上がる。
つまり、
“どこで働くか”で完全に変わる。
装置ではなく戦略なのである。
年齢別で見ると40代以降は放射線技師が強い
放射線技師は年齢とともに給与がかなり伸びる傾向がある。
公開統計では、
| 年齢 | 放射線技師平均年収 |
|---|---|
| 20〜24歳 | 約384万円 |
| 25〜29歳 | 約455万円 |
| 30〜34歳 | 約494万円 |
| 35〜39歳 | 約564万円 |
| 45〜49歳 | 約628万円 |
| 50〜54歳 | 約703万円 |
というデータがある。
特に40代以降、
- 主任
- 技師長
- 管理職
- IVR責任者
- 治療部門責任者
- physics QA担当
などになると急激に上がる。
放射線治療やIVRは装置管理能力が重要であり、
「代替できない人材」
になると強い。
一方、看護師は夜勤依存型給与になりやすい。
年齢が上がると、
- 夜勤が辛くなる
- 家庭事情
- 管理業務増加
で収入が横ばいになるケースもある。
もちろん看護管理者になれば高年収も可能だが、現場負荷は非常に大きい。
実は“働き方”はかなり違う
ここは学生が見落としやすい。
看護師
メリット:
- 求人数が圧倒的
- 転職しやすい
- 全国どこでも働ける
- 夜勤で稼げる
デメリット:
- 肉体的負荷が大きい
- 人間関係ストレス
- 夜勤ダメージ
- 感情労働
放射線技師
メリット:
- 身体負担は比較的少ない
- 専門職として長く働きやすい
- AI時代でも装置理解が必要
- workflow設計能力が価値になる
デメリット:
- 病院数が限られる
- 地域差が大きい
- 配属ガチャがある
- “撮るだけ”では将来危険
特に今後は、
- AI contouring
- 自動planning
- workflow最適化
- Biology-guided RT
- Adaptive RT
が進む。
単純作業だけでは厳しい。
しかし逆に、
- QA/QC
- physics
- 線量理解
- 治療戦略
- AI運用
ができる技師は価値が急上昇する。
最後は人間なのである。
結局どちらが良いのか?
これは単純な年収比較では決まらない。
もし、
- 人と深く関わりたい
- 患者ケアが好き
- 全国どこでも働きたい
なら看護師は非常に強い。
一方、
- 機械
- physics
- AI
- 画像
- 放射線治療
- workflow
が好きなら放射線技師はかなり面白い。
特に放射線治療分野は、
- MRI-Linac
- Adaptive RT
- AI contouring
- online planning
など急激に進化している。
今後10年で最も変わる医療職の1つかもしれない。
まとめ
結論として、
平均年収
やや放射線技師優位。
若手
夜勤込みで看護師が強い場合あり。
中高年
管理職・専門職化で放射線技師が伸びやすい。
将来性
AI時代では“workflowを理解する人材”が勝つ。
重要なのは、
「どちらが高いか」
ではない。
“どの領域で専門性を作るか”
なのである。
理論と臨床は違う。
最後は現場でしか学べない。
参考文献
- 厚生労働省 賃金構造基本統計調査
- job tag 診療放射線技師
- 診療放射線技師の平均年収解説
- 看護師給与統計
- 看護職員実態調査ベース記事


