論文出版の道は地獄の門から始まる!? 閻魔大王(査読者)攻略法

1. 論文出版の道は修羅の道
研究をして論文を書く――これは研究者にとってゴールの一つですが、その道は想像以上に険しい。
まず原稿を書き上げた後に立ちはだかるのは、「査読者」と呼ばれる存在。私は彼らを、こう呼びたい。
“論文界の閻魔大王”
しかも一人ではありません。大抵の場合、二人。
二人の閻魔大王がそれぞれ、自分の手に持ったこん棒(論文中の指摘)を振りかざしてきます。
「ここの統計は妥当か?」
「参考文献の引用が間違っている」
「もっと先行研究を引用せよ」
「この図の説明は不足している」
これらのこん棒をすべてかわし、あるいは正面から受け止め、修正を重ねたとき――ようやく閻魔大王は通行を許し、あなたの論文は学術誌に掲載されます。
2. では、どこの閻魔大王の門を叩くべきか?
論文を投稿する雑誌を選ぶとき、基本は**「自分と同じテーマや分野の論文を載せている雑誌」**を選びます。
いきなりジャンルの違う雑誌に出すと、「これはうちの領域じゃない」と門前払いされます。
次に考えるのは、「インパクトファクター(Impact Factor)」です。
これは学術誌の“攻撃力”のようなもの。数字が高いほど、その雑誌に掲載された論文は世界的にも多く引用されやすく、影響力があります。
ただし、数字が高い雑誌ほど、そこの閻魔大王も強烈に強い。
容赦なく突っ込んでくるし、基準も厳しい。まさにラスボス級です。
3. 強い閻魔大王から逃げるな!
「そんなに強いなら、最初から弱そうな雑誌に出せばいいじゃないか」――そう思うかもしれません。
しかし、これはもったいない。
なぜなら、優秀な閻魔大王は、良いアドバイスをたくさんくれるからです。
彼らはただの意地悪な門番ではありません。研究の質を高めるための、ある意味で“無料のコンサルタント”なのです。
もちろん、厳しい指摘もありますが、それを反映して論文を修正すれば、内容は格段に良くなります。
4. 私がオススメする“二段階攻略法”
そこで私が推奨する方法は――
- まずは、自分が最終的に載せたい雑誌よりも、少しインパクトファクターが高い雑誌に投稿する。
- 閻魔大王からの指摘(コメント)をすべて吸収して、大幅に論文をブラッシュアップする。
- もし落とされたら、元々狙っていた雑誌に“パワーアップした論文”を再投稿する。
これを私は**「査読フィードバック活用法」**と呼んでいます。
たとえ1回目の門が閉ざされても、その経験は必ず次の門を開くカギになります。
5. ChatGPTの時代と“引用ミスの地獄”
最近では、ChatGPTなどのAIツールを使って論文を書いたり、英語を整えたりする研究者も増えています。
確かに、文章の流れを整えたり、ネイティブっぽい表現にしてくれたりするので便利です。
しかし! 閻魔大王はそこも見逃しません。
AIが出してきた参考文献が、存在しない論文だったとか、著者名や年号が間違っている――こういうミスは意外と多いのです。
また、統計解析の解釈をAIに任せっきりにすると、条件設定や検定方法が間違っているケースもあります。
査読者はこういうミスを一瞬で見抜きます。
だから、AIはあくまで“補助輪”として使い、最終チェックは必ず自分で行うこと。これが鉄則です。
6. 閻魔大王は敵か、味方か
論文の査読者(閻魔大王)は、確かに厳しい存在です。
ですが、本当に優秀な査読者は、論文の質を高め、あなたの研究を世界に届けるためのパートナーでもあります。
彼らを完全に味方につけることができれば、査読プロセスはもはや試練ではなく、研究のレベルアップイベントになります。
そして、門をくぐった先には――あなたの論文が掲載された学術誌が待っています。
そこに名前が刻まれたときの達成感は、まさに修羅場を抜けた戦士の喜びそのもの。
まとめ
- 論文投稿は閻魔大王(査読者)との戦い
- インパクトファクターは“攻撃力”
- 強い雑誌に挑戦 → フィードバックを活用 → 本命雑誌に投稿
- ChatGPTは補助ツール。引用や統計は必ず自分で確認
- 優秀な査読者は最高の味方になる
このブログを読んで、「査読=恐怖」ではなく、「査読=成長のチャンス」と感じてもらえれば幸いです。
次にあなたが挑む閻魔大王は、きっとただの門番ではなく、あなたを次のステージに押し上げる師匠になるはずです。


