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国際的な「緩和照射」のエビデンスと主要ガイドライン

総論(何を目指すか)

  • ゴールは「症状緩和とQOLの改善」。痛み、神経症状、出血、閉塞などの症候コントロールを短時間で達成し、通院負担を最小化するレジメン選択が基本です。最近の骨転移ガイドラインでも“患者中心の選択(単回 vs 多分割、SBRTの適応、再照射)”が強調されています。ASTRO

1) 骨転移(疼痛コントロール/病的骨折・SRE予防)

推奨の枠組み(ASTRO 2024 改訂)

  • 未照射・非脊椎の疼痛性骨転移に対する標準的外照射:
     8 Gy ×1回, 20 Gy/5回, 24 Gy/6回, 30 Gy/10回。疼痛緩和効果は同等、単回は再照射率がやや高いが利便性に優れる。ASTROサイエンスダイレクト
  • 脊髄/馬尾圧迫があり手術不適の症例では:8 Gy/1回, 16 Gy/2回, 20 Gy/5回, 30 Gy/10回が選択肢。PubMed
  • 手術後(固定・減圧)の術後照射を推奨。PubMed
  • SBRTは「手術不要・神経症状なし・PS良好」の選択症例で条件付き推奨(例:脊椎SC24 24 Gy/2回などの高品質RCTの裏付け)。ASTROSpringerLink
  • 再照射は骨・脊椎とも可能で、上記と同等の低分割レジメン(例:8 Gy/1回、20 Gy/5回 等)を使用。PubMed

実務のコツ

  • 予後短い/移動困難→8 Gy×1で迅速に疼痛緩和。再燃時は再照射で対応。ASTRO
  • 予後が長い/病変が複雑→20 Gy/530 Gy/10で再照射リスクと正常組織の許容をバランス。ASTRO

2) 脳転移(症状緩和と認知機能温存)

ASTRO 2022 / ASCO–SNO–ASTRO 2022

  • 術後:限局個数なら術腔SRSWBRTより優先(認知機能温存)。PubMed
  • 限局個数(1–4個、選択例で5–10個)SRSを第一選択。広範多発やコントロール困難ではHA-WBRT+メマンチンを考慮。PubMed
  • 全般に、局所制御と神経認知のバランスを重視し、全身治療(分子標的薬/免疫療法)との時相調整を推奨。PubMedASC Publications

3) 脊椎転移・転移性脊髄圧迫(MSCC)(オンコロジー救急)

NICE NG234(2023)

  • MSCC疑いは救急:速やかなコーディネート、ステロイド、画像(優先はMRI)。ナイス
  • 手術不適なMSCCには可及的速やかに(24時間以内)外照射を実施。分割数の指定はせず、前治療や照射野の大きさなどで多分割も考慮。ナイス
  • 疼痛性脊椎転移(MSCCなし)は8 Gy×1回推奨。良好予後/オリゴメタではSABRの選択も可。ナイス
  • 術後必ず照射(回復後)。再増悪時の再照射も選択肢。ナイス

実務のコツ

  • 外科適応(減圧・固定)判断→手術+術後照射の流れを迅速に。ナイス

4) 肺がん胸部症状(疼痛・咳嗽・喀血・閉塞など)

ASTRO 2018(NSCLC胸部緩和照射)

  • ステージIIIで根治不能かつPS 0–2生命予後≧3か月化学療法適応の場合、プラチナ併用の同時化学放射線(緩和目的の中等度低分割)を単独療法より推奨
  • ステージIVでは同時化学放射線の routine は推奨せずPubMed

実務のコツ

  • 症候緩和だけが目的なら20 Gy/530 Gy/10などの短期レジメンで迅速に。根治治療の可能性が少しでもある症例を誤って緩和枠に入れないことが重要。ILCN.org (ILCN/WCLC)

5) 出血コントロール(止血照射:喀血・消化管出血・血尿 等)

エビデンスの概観

  • 系統的レビュー/ナラティブレビューの集積では、止血効果は多数例で有効。ただし前向き試験は少なく、分割法に統一見解は未確立Annals of Palliative MedicinePubMed
  • 実臨床のパターン:喀血→20 Gy/58 Gy/1、血尿→20 Gy/5 をよく用いる、などの報告。PMC
  • コントロールの持続は**BED(EQD2≒36Gy 以上)**が長期止血に有利との報告あり(予後良好例ほど多分割が合理的)。SpringerLinkNature
  • 胃・直腸など消化管出血30 Gy/1020 Gy/5などが広く用いられ、24–48時間で止血効果が出ることも。PMCecancer.org

実務のコツ

  • 重篤出血・搬送困難8 Gy×1で即日対応 → 必要に応じ追加分割
  • 予後良好20 Gy/5以上で持続性を狙う。インターベンションや内視鏡治療との併用・シーケンスも検討。Annals of Palliative Medicine

6) 英国RCR「Dose Fractionation 4th(2024)」の位置づけ

  • 腫瘍部位別に緩和目的の推奨分割を簡潔に整理した実務リファレンス。第三版(2019)を全面更新。骨/脳転移、MSCC、肺・消化管・婦人科など多領域の短期レジメンがまとめられており、日常診療の判断補助として有用です。rcr.ac.uk+1

7) レジメン選択アルゴリズム(シンプル版)

  1. 症状の緊急度:MSCC/大量出血/高度痛→単回照射や短期レジメンで即応(MSCCは24h以内)。ナイス
  2. 予後とPS:短期予後→8 Gy×1/20 Gy/5、長期予後→30 Gy/10等で持続性を確保。ASTRO
  3. 部位と目的:脳転移はSRS優先(適応内)、WBRTはHA+メマンチンで認知保護。PubMed
  4. 既照射・術後再照射術後照射を計画(骨・脊椎)。PubMedナイス
  5. 高度専門適応:PS良好・限局の脊椎/骨病変→SBRTを検討。ASTROSpringerLink

主要ソース(抜粋)

  • 骨転移 緩和照射(ASTRO 2024):標準分割(8/1, 20/5, 24/6, 30/10)、MSCC手術不適の推奨、SBRTの条件付き推奨、再照射の推奨を明記。ASTROPubMed
  • 脳転移(ASTRO 2022/ASCO–SNO–ASTRO 2022):術腔SRS優先、HA-WBRT+メマンチン、SRSの適応拡大。PubMed
  • NSCLC胸部緩和(ASTRO 2018):根治不能III期の一部に同時化学放射線を推奨、IV期は routine 非推奨。PubMed
  • MSCC(NICE NG234, 2023):救急対応、手術不適なら24時間以内に照射、疼痛性脊椎転移は8 Gy×1推奨、術後照射推奨。ナイス
  • 止血照射(レビュー 2023–2024):有効性は一貫、分割は施設差。喀血・血尿・消化管出血で8/120/5, 30/10が頻用、BED≥36 Gyで持続性が延長。Annals of Palliative MedicinePMC+1SpringerLinkNature
  • RCR Dose Fractionation 4th(2024):部位別の実務レジメン集。rcr.ac.uk

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