合同会社ライフカラー、放射線治療用マスク販売

放射線治療用固定具の選び方とコストの考え方― 第132回日本医学物理学会学術大会に寄せて ―

放射線治療装置や線量計算アルゴリズムの進歩により、線量分布や幾何学的精度は大きく向上してきました。一方で、日々当たり前のように使用している**患者固定具(マスクなど)**について、あらためて「線量」「再現性」「コスト」の観点から見直す機会は多くないかもしれません。

近年は、為替や原材料費の影響などにより、海外製固定具の価格改定が続いている施設もあると思います。本コラムでは、固定具を選ぶ際の基本的な考え方を整理しつつ、Lifecolorが取り扱う熱可塑性樹脂マスク「ナノマスク」をどのように位置づけているかをご紹介します。

(※本コラムは、第132回日本医学物理学会学術大会に参加される医学物理士・放射線技師の皆さまへの情報提供も兼ねています)


固定具は「線量」と「再現性」にどう関わるか

1-1. 線量への影響(概念的な整理)

放射線治療用マスクは、頭頸部や体幹部においてビーム入射経路に存在しうる物質のひとつです。
材質や厚み、形状によっては、

  • 表在線量
  • ビルドアップ領域での線量

に一定の影響を与える可能性があります。

ただし、その影響の大きさは、

  • ビームエネルギー
  • 入射角度
  • マスクと皮膚の位置関係

などに依存するため、各施設の線量計算・測定環境の中で確認することが重要です。

1-2. セットアップ再現性への影響

固定具の主な役割は、日々のセットアップ誤差を許容範囲内に抑えることです。
マスクのフィット感や硬化後の剛性が不十分であれば、位置ズレが増大し、

  • 追加画像の撮影
  • 再補正
  • 場合によっては再計画

が必要になることもあります。

CBCTやkV画像などを用いて、日々のセットアップ誤差の分布を評価し、

  • 現在使用している固定具
  • 新たに導入を検討している固定具

の間で比較することは、有用な評価方法のひとつと考えられます。


コストは「1枚」ではなく「1患者あたり」で考える

固定具のコストを検討するとき、「マスク1枚いくら」で比較してしまいがちですが、実際の臨床では**「1患者あたり」「1治療コースあたり」**の視点が重要です。

例として:

  • 頭頸部根治照射:1患者につきマスク1枚
  • 体幹部SBRT:1患者につきマスク1枚
  • 緩和照射:症例・部位によって運用が異なる

といった使い方が多いと思います。

そのうえで、

  • マスク単価
  • 交換頻度
  • セットアップ不良に伴う追加画像撮影・再計画のリスク
  • 患者さん・スタッフの負担(装着感、作業時間など)

を総合的に評価することで、**「実質的なコスト」**を把握しやすくなります。

Lifecolor のナノマスクは、こうした視点から、
「線量・再現性を確認しながら、コストも見直したい」 施設の一つの選択肢となることを目指しています。


ナノマスクの位置づけと特徴(定性的な説明)

3-1. ナノマスクの概要

ナノマスクは、熱可塑性樹脂を用いた放射線治療用固定マスクです。頭部・頭頸部・体幹部など、照射部位や目的に応じた形状ラインナップをご用意しています。

  • 温水・オーブン・ヒーターで軟化させて成形し、冷却後には必要な剛性を保つことを目標とした設計
  • 一般的な熱可塑性樹脂マスクと同様の使用感を目指した材質・厚み
  • 頭頸部用、頸部〜肩周囲用、体幹部用など、複数の型番展開


線量やセットアップ再現性については、一般的な樹脂製マスクと同様に、各施設のQAフローの中で評価していただくことを前提としています。

3-2. 再現性・作業性に配慮した設計(定性的)

  • 成形時は十分な追従性を持ち、冷却後には必要な硬さを維持できるような温度特性を目標として設計
  • メッシュやフレームの形状は、日本の臨床現場での使用感を参考に検討
  • 頭頸部や体幹部など、治療目的に応じて選択しやすいようラインナップを構成

実際のセットアップ誤差や作業性については、
**「少数症例での試験導入 → 現行品との比較 → 段階的な拡大」**という流れで評価していただくことを推奨しています。


新しい固定具を評価する際のステップ

新規固定具を検討する際には、次のようなステップで評価を行う方法があります。

  1. 試験導入範囲の決定
    • 例:頭頸部の一部症例のみ、SBRT症例の一部のみ など
  2. セットアップ誤差の記録
    • CBCT・kV画像・ポータル画像などを用いて、位置ズレを日々記録
  3. 現行固定具との比較
    • 誤差分布(系統誤差・ランダム誤差)の傾向に変化があるかを確認
  4. 患者さん・スタッフからのフィードバック
    • 装着感、作業時間、成形手技の難易度など
  5. コスト試算
    • 単価だけでなく、「1患者あたりの総コスト」を概算して比較

ナノマスクについても、こうしたプロセスの中で評価いただけるよう、
少数症例からのサンプル提供などを行っています。


第132回日本医学物理学会学術大会に参加される皆さまへ

第132回日本医学物理学会学術大会に参加される医学物理士・放射線技師の皆さまに向けて、Lifecolor では次のような形で情報提供・サポートを行う予定です。

  1. 固定具選定に関する技術的なポイントをまとめた資料(PDF)のご提供
    • 固定具が線量・再現性に与える影響の整理
    • 新規固定具導入時の評価ステップ例
    • チェックリスト形式の項目 など
  2. ナノマスク サンプルに関するご相談受付
    • 少数症例からの試験導入
    • 部位や症例に応じた型番のご提案 など

お問い合わせ・資料請求について

ナノマスクの詳細や、技術資料PDF・サンプル提供についてのご相談は、
下記のコンタクトフォームから承っております。

👉 Lifecolor お問い合わせフォーム
https://lifecolor-health.com/contact/

お問い合わせの際、「医学物理学会のコラムを見た」「固定具について相談したい」 などと一言添えていただけますと、内容に応じてスムーズにご案内が可能です。


固定具選定のチェックリスト(簡易版)

最後に、固定具を検討・見直しする際のチェックポイントを簡単にまとめます。

  • 材質・保存条件・消費期限が明示されているか
  • 使用方法(加温方法・成形手順)が分かりやすいか
  • 自施設のQAフローの中で、線量・セットアップ再現性の評価が行えるか
  • 不良品発生時の交換対応や連絡先が明確か
  • 少数症例からの試験導入が可能か
  • 患者さん・スタッフの負担(装着感・作業時間)は許容範囲か
  • コストを「1患者あたり」で見たとき、現行運用と比較して受け入れ可能か

固定具は、線量・再現性・コストをつなぐ重要な要素です。
本コラムが、各施設での固定具見直しや新規導入の検討の一助となれば幸いです。

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