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ASTRO・ESTROのガイドラインが難しい?まずJASTROのサイトを見よう

JASTROのホームページを有効活用しよう

ASTRO・ESTROのガイドラインが難しい?まず日本語で調べてみる

放射線治療医なら、一度はこんな経験があると思います。

「ASTROのガイドラインを読もう。」

そう思ってPDFを開く。

英語。

数十ページ。

Referenceが大量。

Recommendation、Conditional、Strong、Low quality evidence……。

そして30分後。

「結局、日本ではどうしているの?」

となる。

もちろんASTROやESTROのガイドラインは非常に重要です。

世界の最新情報を知るためには、英語文献を読む必要があります。

しかし、すべてを英語のガイドラインから理解しなければならないわけではありません。

日本の放射線治療医にとって、もっと身近で、しかも非常に重要な情報源があります。

それが、

JASTROのホームページです。

JASTRO 日本放射線腫瘍学会 公式サイト


JASTROのサイト、実はかなり情報量が多い

JASTROのトップページを開くと、

  • 医療安全
  • 品質管理・品質保証
  • ガイドライン
  • 会告・通知
  • 放射線腫瘍学データセンター
  • 粒子線治療
  • 緩和的放射線治療
  • 表彰・助成
  • 学会誌・刊行物
  • 用語・略語集

など、かなり多くの情報が並んでいます。

ところが、意外と

「学会のお知らせを見るだけ」

で終わっている人が多い。

これはもったいない。

JASTROのサイトは、

放射線治療医のための情報データベース

として使った方がいいと思います。


まず見るべきは「JASTRO公認ガイドライン」

当然ですが、最初に見るべき場所はここです。

JASTRO公認ガイドライン

現在のJASTRO公認ガイドラインを見ると、かなり新しいものが並んでいます。

2026年には、

「がんによる症状の緩和のための放射線治療ガイドライン2026」

が公開されています。

さらに、

IMRT物理技術ガイドライン2026

遠隔放射線治療計画ガイドライン2026 第3版

も公開されています。

つまり、

「JASTROのガイドラインは古い」

というイメージは、もう当てはまりません。


放射線治療計画ガイドライン2024も非常に重要

臨床医なら、これは手元に置いておきたい資料です。

放射線治療計画ガイドライン2024年版。

中枢神経。

頭頸部。

胸部。

消化器。

泌尿器。

婦人科。

血液・リンパ。

骨・軟部。

小児。

緩和。

良性疾患。

というように、放射線治療のほぼ全領域をカバーしています。

もちろん、

「ガイドラインに書いてあるから、その通りに治療する」

という意味ではありません。

むしろ、

自分の治療方針が日本の標準から大きく外れていないかを確認する

ために使う。

これが重要です。


ASTROを読む前にJASTROを見る

これは若手の先生に特におすすめしたい方法です。

例えば、

「膵癌のSBRTについて調べたい」

とします。

いきなりASTROの英文ガイドラインを検索する。

それでもいい。

でも、

まずJASTRO。

次に日本のガイドライン。

そこから参考文献。

重要な英文論文。

ASTRO・ESTROの最新情報。

という順番でもいい。

この方が、

「日本の臨床では何が問題になっているのか」

を理解したうえで海外の議論を見ることができます。


「英語が苦手」は理由にならない?

もちろん、英語論文は読めるようになった方がいい。

これは間違いありません。

ASTRO。

ESTRO。

ESMO。

ASCO。

AAPM。

これらの情報は非常に重要です。

しかし、

英語を読むこと自体が目的になってはいけません。

目的は、

患者さんにより良い放射線治療を提供すること。

だから、

日本語で理解できる情報は日本語で理解する。

そのうえで、

「ここから先は英語を読まないと分からない」

という部分だけ原著や海外ガイドラインへ進めばいい。

これが効率的です。


JASTROには「ガイドライン以外」がたくさんある

ここが今回一番伝えたいところです。

JASTROのサイトには、ガイドラインだけではありません。

例えば、

参考資料

というページがあります。

ここには、

  • SpaceOAR適正使用指針
  • ベリジェル適正使用指針
  • 小線源治療の運用指針
  • 放射線治療用スペーサー関連資料

などが掲載されています。

つまり、

「この新しい医療機器をどう使う?」

という疑問が出たときにも、

JASTROを一度確認する価値があります。


QA/QCで困ったらJASTRO

放射線治療は、

治療計画だけが仕事ではありません。

QA/QCも非常に重要です。

JASTROには、

Quality Assurance System Guidelines

をはじめ、

第三者機関による出力線量測定・評価に関するガイドライン、

IMRT物理技術ガイドライン、

IGRTガイドライン

などが掲載されています。

特に、

「新しい装置を導入したけれど、QAはどう考える?」

「IMRTの物理的な要求事項は?」

「IGRTの臨床運用は?」

という場面では、

メーカー資料だけではなく、

学会のガイドラインを確認する

ことが重要です。


IGRTを始めるなら「IGRTガイドライン2022」

現在の放射線治療では、

CBCT。

6DoF。

SGRT。

画像Fusion。

Online correction。

など、

画像誘導が当たり前になっています。

JASTROには、

「画像誘導放射線治療の臨床施行のためのガイドライン2022」

があります。

JMA、医学物理士会、日本診療放射線技師会、日本放射線技術学会、JASTROによる共同ガイドラインです。

これは、

「IGRTをどう考えるか」

を日本の臨床現場で整理するうえで非常に useful です。


MRI-Linacを始めるならこれ

MRI-Linac。

Online Adaptive RT。

これからの放射線治療では非常に重要なテーマです。

JASTROには、

MR画像誘導即時適応放射線治療ガイドライン

があります。

日本磁気共鳴学会、日本医学物理学会、日本医学放射線学会、日本放射線技術学会、JASTROが共同で作成しています。

MRI-Linacを導入している施設だけの話ではありません。

「将来、Adaptive RTを導入したい」

という施設にとっても、

日本でどのように整理されているのか

を知る資料になります。


JASTROのデータセンターは研究者必見

研究者なら、

ここはもっと使ってほしい。

放射線腫瘍学データセンターです。

JASTRO 放射線腫瘍学データセンター

ここには、

  • JROD
  • 放射線治療施設構造調査
  • RI内用療法症例登録
  • データベース利用申請
  • 放射線治療試案
  • 日本版ブルーブック

などがあります。

2026年4月には、

JROD 2025年度調査報告書

も公開されています。

こういうデータは、

科研費を書くときにも役立ちます。


「日本ではどれくらい普及している?」を調べる

例えば、

「SBRTを導入している施設はどれくらいある?」

「粒子線治療施設は?」

「特殊治療はどれくらい普及している?」

といった疑問。

こういうときにもJASTROのデータセンターが使えます。

施設構造調査では、

人員や設備などの全国の放射線治療施設の構造

を調査しています。

そして調査結果は公開され、次回の診療報酬改定に向けた重要な資料としても活用されています。

つまり、

日本の放射線治療の「現在地」を知るためのデータ

があるわけです。


「日本版ブルーブック」も面白い

JASTROには、

放射線治療施設構造基準(日本版ブルーブック)

もあります。

これは単なる教科書ではありません。

JASTRO自身が、

病院事務や自治体との交渉のための根拠として利用できる

と説明しています。

これ、かなり重要です。

例えば、

「放射線治療医をもう一人増やしてほしい」

「医学物理士が必要」

「診療放射線技師の体制を改善したい」

「装置を更新したい」

という話をするとき、

「私は必要だと思います」

だけでは弱い。

全国データや施設構造基準を示せれば、

病院経営側との話が変わります。


JASTROは「キャリア情報」もある

意外と見落とされているのが、

専門医制度

です。

JASTROの専門医制度ページには、専門研修や学術活動に関する情報などが掲載されています。

若手の先生なら、

「専門医を取るには?」

「研修期間は?」

「学術活動は?」

という情報を定期的に確認しておいた方がいい。

制度は変わります。

だから、

古い先輩から聞いた話だけを信じない。

公式サイトを見る。

これが大切です。


助成金もある

そして研究者にとって見逃せないのが、

表彰・助成

です。

JASTROには、

  • 海外研修助成
  • 他領域関連学会発表助成
  • 研究課題への助成
  • 優秀論文賞
  • Highly cited award
  • 優秀査読者賞

などがあります。

科研費やAMEDだけを見ていると、

こうした機会を見逃します。

研究費は、

「大きな公的資金だけを見る」のではなく、小さな助成を積み重ねる

という考え方も重要です。


パブリックコメントも見ておこう

JASTROには、

パブリックコメント

のページもあります。

現在もガイドライン改訂に関する意見募集が掲載されています。

これは、

「ガイドラインが完成してから読む」

のではなく、

「これから何が変わろうとしているのかを見る」

ためのページです。

若手研究者にとっては、

次の研究テーマを見つける場所

にもなります。


「ガイドラインを読む」だけではもったいない

JASTROのサイトを、

単なる

「ガイドライン置き場」

として使ってはいけません。

むしろ、

臨床

ガイドライン・適正使用指針

QA

物理技術・IGRT・安全管理

研究

JROD・構造調査・データベース

キャリア

専門医制度・研修

研究費

助成・表彰

最新情報

会告・通知・パブリックコメント

という、

放射線治療医の仕事全体を支えるポータルサイト

として使う。

こう考えると、JASTROの見え方が変わります。


私なら「JASTROをこう使う」

私なら、毎月一度くらい、

JASTROを一周します。

① トップページ

新着情報を見る。

② ガイドライン

新しいガイドラインを確認。

③ 会告・通知

制度変更などを確認。

④ データセンター

JROD・構造調査を確認。

⑤ 助成

研究費・海外研修などを確認。

⑥ 専門医制度

若手なら制度変更を確認。

⑦ 学会誌・刊行物

新しい情報を見る。

これだけでも、

「知らないまま数か月過ごす」

ことがかなり減ります。


英語は「逃げ」ではなく「使い分け」

ここは誤解しないでください。

私は、

「ASTROなんて読まなくていい」

と言っているわけではありません。

むしろ逆です。

世界の最新情報を知るには英語が必要です。

ただし、

日本の臨床を理解する

JASTROで確認する

海外との違いを考える

ASTRO・ESTRO・ESMO・ASCO・AAPMを読む

という順番にすると、

英語を読む意味がはっきりします。

「何が書いてあるのか分からないから読む」

ではなく、

「日本と何が違うのかを知るために読む」

のです。

この方が圧倒的に面白い。


AI時代だからこそJASTROを使う

今はChatGPTやGeminiなどに、

「○○癌の放射線治療について教えて」

と聞けば、かなり詳しい回答が返ってきます。

しかし、

AIの回答を最終的な根拠にしてはいけません。

AIに、

「JASTROの最新ガイドラインではどうなっていますか?」

と聞く。

そして、

必ずJASTROの原文を確認する。

これが正しい使い方です。

AIは、

情報を探すナビゲーター。

JASTROは、

日本の放射線治療における一次情報の重要な入口。

この関係で使えばいい。


まとめ

放射線治療医にとって、

JASTROのホームページは、

もっと評価されていい情報源です。

ガイドラインだけではありません。

  • ガイドライン
  • 適正使用指針
  • QA/QC
  • IGRT
  • MRI-guided Adaptive RT
  • JROD
  • 全国構造調査
  • 日本版ブルーブック
  • 会告・通知
  • 専門医制度
  • 助成金
  • パブリックコメント

まで揃っています。

ASTROやESTROの英文ガイドラインを読むことはもちろん重要です。

でも、

英語の情報だけを追いかけて、日本の情報を見落としてはいけません。

まずJASTRO。

そこから海外へ。

そして、

日本と海外の違いを考える。

これこそ、放射線治療医にとって非常に有効な情報収集workflowだと思います。

装置ではなく戦略。

workflowがすべて。

情報収集も同じです。

どの情報を見るかではなく、どの順番で情報を見るか。

AI時代でも価値が上がるのは、

情報を大量に集める人ではなく、

必要な情報を見つけ、比較し、臨床に落とし込める人です。

そして最後は、

理論と臨床は違う。

最後は人間。

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