JRCまであと1か月。放射線治療でまず見ておきたい5社をチェック

JRC2026は2026年4月16日から19日に開催予定で、ITEMも同期間にあわせて実施されます。学会発表や教育講演の予定を立てる一方で、「展示はどこを見に行くか」まで決めている方は、実はそれほど多くありません。ですが、放射線治療関連の展示は装置本体だけでなく、画像誘導、適応治療、モーションマネジメント、粒子線、固定具や周辺機器まで幅広く、何となく会場を歩くだけでは大事な情報を取りこぼしてしまいがちです。
だからこそ、JRC前の今の時期におすすめしたいのが、**“まず見る5社を先に決めておく”**ことです。
今回注目したいのは、アキュレイ、エレクタ、バリアン、日立ハイテク、ライフカラーの5社です。
この5社を並べて見ると、放射線治療の現在地がかなり立体的に見えてきます。
ロボティック治療や追尾照射を強みとするアキュレイ。
MR-Linacやadaptive radiotherapyの流れを体感できるエレクタ。
高精度治療の王道と、AIを活用した適応治療の両面を持つバリアン。
国産X線治療装置と粒子線の将来像を示す日立ハイテク。
そして、装置そのものだけでなく、実際の治療再現性や患者負担軽減に直結する固定具という視点で見ておきたいライフカラーです。
まず1社目はアキュレイ
アキュレイの魅力は、やはりCyberKnifeとRadixactに代表される独自性です。公式情報でも、CyberKnifeはロボティック精度による個別化治療、RadixactはSynchronyによるリアルタイムモーションマネジメントや強度変調による高精度照射を打ち出しています。肺や肝のように動く腫瘍、再照射、SRS/SBRTなど、「追いながら当てる」「限局してしっかり当てる」ことに関心がある施設にとっては、必ず立ち寄りたい会社の一つです。
2社目はエレクタ
エレクタは、Elekta Unityに代表されるMR-Linacの存在感が非常に大きく、公式には連続的なMR画像と包括的なモーションマネジメントを備えた精密放射線治療として紹介されています。また同社は、adaptive radiotherapyを日常診療へ広げていく流れも前面に出しています。つまりエレクタを見る価値は、単なる装置比較ではなく、“見ながら治療する時代”がどこまで現実になっているかを確認できる点にあります。
3社目はバリアン
バリアンは、日本の多くの施設にとって最もイメージしやすい高精度治療ベンダーの一つです。公式サイトでは、TrueBeamがIMRT、SBRT、VMATに対応する高精度治療システムとして、またEthosがAIを活用したadaptive therapy solutionとして紹介されています。すでにVarian系の運用経験がある施設はもちろん、今後の更新やワークフロー改善を考える施設にとっても、「いまの標準」と「次の標準」を同時に見られる存在です。
4社目は日立ハイテク
日立ハイテクは、OXRAYという国産の画像誘導型高精度X線治療装置を展開しており、公式にはO-リング型ガントリーにジンバル駆動式照射ユニットとkVイメージャを内蔵したオールインワンプラットフォームとして紹介されています。さらに日立は、陽子線・重粒子線・ハイブリッドシステムまで含む粒子線治療ラインも持っており、X線治療から粒子線まで一続きで考えられるのが大きな特徴です。装置更新だけでなく、地域全体の治療戦略や将来構想まで視野に入れるなら、見逃しにくい1社です。
5社目はライフカラー
そして今回の5社の中で、少し違う角度から見ておきたいのがライフカラーです。ライフカラーのサイトでは、放射線治療用マスクなどの医療機器を通じて、治療をより早く、安全に、高度に行う支援を目指すと説明されています。製品ページではナノマスク各種が案内されており、特長ページでは均一な気孔形成、頸部先端までの均一な伸展、補強材による再現性の向上などが紹介されています。派手な大型装置とは別に、実際の固定、形成のしやすさ、患者負担、再現性といった“現場の精度”を支える視点は、放射線治療では決して脇役ではありません。
展示を見るときのおすすめの回り方
JRCの展示は、見る前に視点を決めるだけで収穫が変わります。
たとえば、
- 装置本体の進化を見たいなら、アキュレイ、エレクタ、バリアン、日立ハイテク
- adaptiveや画像誘導を比較したいなら、エレクタとバリアン
- 動体追尾や再照射のヒントを得たいなら、アキュレイ
- 将来の粒子線や国産装置の方向性を見たいなら、日立ハイテク
- 固定具や治療再現性の改善を考えたいなら、ライフカラー
という切り口で回ると、会場での時間の使い方がぐっと上手くなります。
JRCは、ただ新しい機械を眺める場ではありません。
自施設の今の課題に対して、どの会社がどんな答えを持っているかを探しに行く場です。
今年の展示をより実りあるものにするためにも、まずはこの5社からチェックしてみてはいかがでしょうか。

