WCLC 2026は韓国・ソウル開催! ASTROの2週間前でも絶対行くべき理由

WCLC 2026は韓国・ソウル開催!
ASTRO 2026の2週間前だけど、それでも行く価値は十分ある
2026年の世界肺癌会議(WCLC)は、9月12日~15日に韓国・ソウルのCOEXで開催される。世界100か国以上から肺癌診療に関わる専門家が集まる、胸部腫瘍領域では最大規模の国際学会である。
今年は日本の放射線腫瘍医にとって少し悩ましい。
なぜなら、
ASTRO 2026の約2週間前だからである。
旅費も時間も限られている。
「ASTROだけでいいのでは?」
と思う人もいるかもしれない。
しかし私は、
肺癌を専門にするならWCLCは十分参加価値がある
と考えている。
理論と臨床は違うのである。
WCLCは「肺癌だけ」の世界最高峰学会
ASTROは放射線治療全般である。
- 前立腺癌
- 頭頚部癌
- 脳腫瘍
- 婦人科癌
- 小児腫瘍
など全分野が対象になる。
一方WCLCは違う。
肺癌だけで数千人が集まる。7,700人以上の参加者、130以上のセッション、2,200以上の演題が予定されている。
つまり、
肺癌に関する世界の知見が集約される。
見どころ①
肺SBRTの次世代戦略
近年の肺SBRT研究は、
単なる局所制御率の比較から、
- Biology-guided RT
- MRI活用
- Radiomics
- AI予後予測
へ移行している。
特に早期肺癌において、
「誰にSBRTを行うべきか」
という患者選択の研究が増えている。
今後は、
照射技術そのものより、
治療戦略が中心になる。
装置ではなく戦略なのである。
見どころ②
オリゴ転移治療の新展開
ここ数年、
最もホットな領域の一つ。
肺癌領域では、
- oligometastases
- oligoprogression
- consolidative SBRT
の研究が爆発的に増えている。
免疫療法時代になり、
局所治療の価値が再評価されている。
放射線治療医としては非常に興味深い。
見どころ③
免疫療法との融合
現在の肺癌診療の主役は免疫療法である。
WCLCでは毎年、
- PD-1
- PD-L1
- CTLA-4
- TIGIT
- 新規免疫標的
に関する大規模試験が発表される。
そして重要なのが、
放射線治療との組み合わせである。
いわゆる
Abscopal Effect
だけではなく、
実臨床でどう併用するか。
その議論が増えている。
見どころ④
AI画像解析とRadiomics
ここは私自身も特に注目している。
近年、
- CT
- MRI
- ADC
- DWI
- DECT
を利用した予後予測研究が急増している。
特に肺SBRTでは、
腫瘍が縮小する前に
治療効果を予測する研究が増えている。
画像は診断だけの時代ではない。
画像で治療し、
画像で評価する時代になりつつある。
見どころ⑤
世界最先端の臨床試験速報
WCLC最大の魅力はここ。
毎年、
肺癌領域のPractice Changing Trialが発表される。
特に、
- 周術期治療
- 免疫療法
- 分子標的治療
- 小細胞肺癌
は世界の標準治療を変えることがある。
ASTROでは聞けない情報が多数存在する。
見どころ⑥
韓国開催のメリット
今年最大のメリットかもしれない。
ソウル開催である。
日本からは、
- フライト約2時間
- 時差なし
- 費用が比較的安い
という利点がある。
欧州開催や米国開催とは負担が全く違う。
ASTRO前でも参加しやすい。
放射線治療医こそ行く価値がある
「WCLCは内科の学会」
と思われることがある。
しかしそれは違う。
実際には、
- 外科
- 内科
- 放射線治療
- 画像診断
- 病理
- 基礎研究
すべてが集まる。
だからこそ面白い。
ASTROでは放射線治療医ばかり。
WCLCでは肺癌診療全体が見える。
この違いは大きい。
私が特に注目している領域
2026年のWCLCで注目したいのは、
- 肺SBRT後の画像評価
- MRI・ADC研究
- DECT研究
- オリゴ転移
- AI予後予測
- Biology-guided RT
- 免疫療法併用SBRT
である。
おそらくASTROでも話題になる。
しかし最初の議論はWCLCから始まる可能性が高い。
まとめ
WCLC 2026は、
9月12日~15日に韓国・ソウルCOEXで開催される。
確かにASTRO 2026の直前である。
しかし、
肺癌を専門とするなら、
参加価値は十分にある。
特に、
- 肺SBRT
- オリゴ転移
- 免疫療法
- MRI研究
- DECT研究
- AI解析
に興味がある人には見逃せない学会になるだろう。
装置ではなく戦略。
高精度ではなく患者利益。
そして世界の肺癌診療がどこへ向かうのか。
その答えが今年のソウルにあるのである。

